◆愛着障害の特徴や心理◆


 

 

【記事執筆者:心理カウンセラー畠山ユキ子】

一般社団法人全国心理技能振興会

認定心理カウンセラー:2011年から4700件以上(2022年現在)のカウンセリングを実施

愛着障害、毒親、機能不全家族から生じる生きづらさ

依存問題(恋愛依存、回避依存、共依存)や心の傷やトラウマ、親子問題や恋愛関係などの人間関係のご相談を現在も受けています。過去にはマスメディア出演等の活動経験も有り。>>相談できるカウンセラーのプロフィールはこちら     

 

 

 

【目次】

 

1.健全な愛着形成

 

2.愛着障害の特徴・種類

 

3.愛着障害の原因

 

4.愛着障害から生じる問題

 

5.愛着障害の克服に効果的な方法

 

※このページの内容は、主に大人の愛着障害についての内容になっています。

 


1.健全な愛着形成


愛着とは主に、乳幼児期(およそ生後6ヶ月〜1歳半までの間)に養育者との間で築かれる心理的な結びつきや繋がりのことです。

 

どのような関わりを通じて愛着は形成されるのか?

 

例えば乳幼児は、自分の感情や欲求を上手く言葉で表現できない代わりに、泣くことや不機嫌になることで表現しますが

 

通常そのような時は、養育者が繰り返し子どもに駆け寄ったり、不快にさせる要素を取り除こうとお世話をしたり、頻繁に子供と触れ合ったり、声掛けなどのコミュニケーションを取ろうとします。

 

こうした日常的なお世話や、愛あるスキンシップやコミュニケーションを受け取る中で

 

子供は養育者に対して「自分の要求に応えてくれる人」「甘えられる人」と認識し、養育者と生活していく中で、養育者との愛着をどんどん深めていきます。

 

私たち大人は、幼児時期の「愛着を土台」に成長していくため

 

安定した人格形成、安定した対人関係を築くには健全な愛着形成が必要不可欠なのです。

 

 

 

<参考情報>

愛着障害の心理(愛着に関する理論)

 


2.愛着障害の特徴・種類


 

⑴ 不安型の愛着傾向

 

不安型の愛着傾向は、親との間に安定した絆を築けなかった事が起因しているため、

対人関係の中で、人より不安を感じやすく依存的な恋愛や人間関係になりやすい傾向があります。

 

依存的な恋愛や人間関係からは、安定した関係性を築いていくことが困難なため、人付き合いの中で孤独感を抱えてしまう事が多くあります。

 

 

⑵回避型の愛着傾向

 

回避型の愛着傾向は、距離を置いた対人関係を好み、親密さに息苦しさを感じます。

 

不安型との大きな違いは、人に依存することはないだけに、人に甘えられえたり依存されることを嫌います。

 

他人よりも自分への興味が強く、あまり人に関心がないため、人の気持ちに無頓着であったり、共感性が低いため、冷たい人に見られやすいところがあります。

 

人間関係を構築する前に離れてしまう事が多いため、孤立しやすかったり、自分勝手な人だと誤解されやすい傾向があります。

 

 

⑶不安型・回避型を混合した愛着傾向

 

不安型と回避型の両方の要素を持ち合わせた愛着傾向は、意外と多くいらっしゃいます。

 

大きな特徴は、愛情を求める恋人やパートナーに対しては、不安型の特徴が現れ

 

さほど愛情を求めない対人関係に対しては、回避型の特徴が現れやすいため

 

不安型と回避型の愛着傾向がある人は、自分の中の極端な愛着に混乱や生きづらさを感じてしまいます。

 

     

※愛着障害の愛着傾向は、恋愛依存症の特徴に共通している点が多いので、気になる人は下記のチェック診断を使ってみてください。

 

最新版:恋愛依存症チェック診断テスト

 

 

 

<参考記事>

大人の愛着パターンと恋愛依存症

 


3.愛着障害の原因


愛着障害とは「乳幼児期に養育者(主に母親)との愛着が上手く形成されなかったことによって、子供の情緒や対人関係に問題が生じる状態」を言います。

 

愛着が上手く形成されない原因というのは

 

・親自身が愛着の問題を抱えている

  

・厳し過ぎる環境

 

・肉体的、精神的虐待

 

・養育者との死別、離別

 

・養育者のネグレクト、無関心な態度

 

・褒める、認める、肯定された経験の不足

 

・両親の離婚

 

・両親、嫁姑の不仲

 

・兄弟など誰かとの比較、差別的な態度

 

など、他にも様々な原因がありますが、克服していくには主に「養育者との関わり」がカギとなりますが

 

養育者自身が愛着の問題を抱えていたり、何らかの理由で不安を感じている環境や状況にい置かれている場合、子供側は安定した安心感や愛情を受け取れないために、心に「安全基地」を持つ事が難しくなります。

 

本来人間は、心の土台に「安心安全な基地」があることで、養育者の元を離れ、様々なことにチャレンジしたり、養育者以外の人間にも自ら安心して関わる事ができるようになりますが、愛着形成が上手く形成できないかった場合、心の土台が不安定でグラグラした状態になってしまします。

 

 

<参考情報>

子供の頃の愛着問題・原因

 


4.愛着障害から生じる問題


 

大人の愛着障害は、主に社会人になって様々な困難に直面してから「何かがおかしい…」と、自分の中の違和感が大きくなり、自覚していくケースが非常に多いです。

 

当カウンセリングにご相談に来られる方々からも

 

「一般の恋愛感情と自分の恋愛感情には、明らかな違いがある」

 

「自分には危害を加える相手ではないのに、過剰に警戒したり、緊張してしまう」

 

その理由がずっと分からずにいたけど、愛着障害を知ってから対人関係が上手くいかない原因に納得できたというお声をよく聞きます。

 

 

愛着障害から生じる問題とは

 

 

・人間関係が長く続かない(恋愛であれば1〜3ヶ月以上続いた事がない)

 

・対人依存(恋愛依存症、対人依存、共依存関係)

 

・摂食障害、物質依存(食べ物、買い物、アルコール、薬物など)

 

白黒思考で物事を判断する(偏った思考の使い方)ため、人間関係を構築できない

 

・とても傷つきやすいため、人と親密な関係になる事ができない

 

・怒りなどの強い感情のコントロールができない

 

見捨てられる怖さから不安感が人より強い

 

 

などがありますが、もう少し具体的に知りたい方は、「愛着障害の診断テスト」(恋愛編もあり)から、ご自身の愛着度合いをチェックしてみてください。

     

 

関連記事:愛着障害と恋愛依存症の関係

 

 

 


5.愛着障害に効果的な克服方法


 

大人の愛着障害は医学的には明確な病気とは扱われていません。

 

愛着障害の原因は、幼少期の環境や親(主に母親)との繋がりにあるため、薬物治療等で「治す」というよりも、自分自身で「克服」していく事で愛着問題を解決に繋げていけると当カウンセリングでは考えています。

 

なぜなら愛着障害の根本的な原因は、幼少期の頃に親との間で「安全基地」を心の土台に形成できなかったことから生じる問題だからです。

 

傷ついた愛着を持つ人には、一時的な「安全基地」となる存在が必要になります。

 

傷ついた愛着を抱える人の心を癒し、心の土台を安定させていくには

 

 ”血の通った対話”  を通じた心理カウンセリング(対話療法)や心理療法が最も効果的であると、実際カウンセリングをやらせいただく中でも納得する事が多いです。

 

皮肉ではありますが、養育者という人間を通じて形成できなかった愛着や傷ついた愛着を修復するカギは、「人間関係」にあるということになります。

 

どのような人間関係かと言うと、心が健康な人、愛ある人、心ある対話ができる「人間」を通じて傷ついた愛着を癒し、安定感をもった心に再生することが可能になります。

 

でもここで注意して頂きたいことは、協力者(医師やカウンセラー)に与えてもらおうと期待すると依存になりやすいので「協力してもらう」「学ぶ」という視点が必要です。

 

自分が主体となって、傷ついた愛着を克服するという姿勢を持つから克服できると言ってもいいと思います。

 

不安定な愛着を安定させていくには、色々な人の力を借りながら「自分は自分でいいんだ」「自分は大丈夫なんだ」という安心感を積み重ねていくことで、人との関わりや付き合い方に変化が現れていきます。

 

不安定な大人の愛着障害は、大人になった自分自身の知恵や力も使いながら、「不安定な自分」という自分の中の「自分」を育てていくイメージと捉えて頂けたらと思います。

 

 

 

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