■アダルトチルドレン/機能不全家族について


 

【記事執筆者:心理カウンセラー畠山ユキ子】

一般社団法人全国心理技能振興会

認定心理カウンセラー:2011年から4700件以上(2022年現在)のカウンセリングを実施

愛着障害、毒親、機能不全家族から生じる生きづらさ、依存問題(恋愛依存、回避依存、共依存)や心の傷やトラウマ、親子問題や恋愛関係などの人間関係のご相談を現在も受けています。過去にはマスメディア出演等の活動経験も有り。>>相談できるカウンセラーのプロフィールはこちら     

 

 

【目次】

 

⑴ アダルトチルドレンの特徴

 

⑵ 機能不全家族チェック診断テスト

 

⑶ 機能不全家族で育つことでの影響

 

⑷アダルトチルドレンの傷が

依存行動に走らせる

 

⑸アダルトチルドレンから派生する

依存問題とは

 

⑹アダルトチルドレンの家族の中の

5つの役割

 

 

関連記事:アダルトチルドレンの原因・悩み

 


⑴ アダルトチルドレンの特徴


 

アダルトチルドレンの特徴とは、一般的には「子供の心を持ったまま成長した、大人??」このような解釈を持たれることもありますが、ここでお伝えしたいアダルトチルドレンは

 

家族としての機能を果たしていない環境で育った結果、大人になってからも心に傷を抱えている人のことを指します。

 

そして家族として機能を果たしてない家族のことを機能不全家族」と言います。

 

アダルトチルドレンは、機能不全家族だけではなく、普通の家族とか、一般的な家庭と呼ばれる元で育った人でもアダルトチルドレンの症状に苦しみ、生きずらさを感じている人はたくさんいらっしゃいます。

 

このページでは、アダルトチルドレンや機能不全家族の特徴を詳しく説明したいと思いますが、もし読み進めることで、心が辛くなってしまう方は、このページを閉じて、今感じるお気持ちを優先してくださいね。

 

 

<参考情報>

機能不全家族の元で育つことでの影響とは?

 

 


⑵ 機能不全家族チェック診断


 

・身体的、精神的、性的虐待のある家庭

 

・ アルコール依存やギャンブル依存など、依存症が居る家族

 

・ 育児放棄(ネグレクト)

 

・ 親が子供の世話をしない家族

 

・ 親子の関係が逆転している家族(長女に多い)

 

・ 両親の仲が悪く、喧嘩の多い家族

 

・ 他人や兄弟姉妹と比較される家族

 

・ 仕事や学歴を重要視する家族

 

・ 行き過ぎた、厳し過ぎる躾

 

・ 子供の人格を尊重しない家族

 

・ 家族間の対立

 

・ 親の感情の都合で子供を支配する家族

 

・ 批判や否定の多い家族

 

・ 世間体を気にして表面だけ良い家族

 

・ 暗い雰囲気、冷たい雰囲気で

暖かさが無い家族

 

・ 家族同士のプライバシーがない家族

 

・ 親の体が弱く、病気がちだった。または精神疾患を抱えていた。

 

・ 親の留守が多かった家族

 

・ 親の期待が大きく、期待に添えないと認めてもらえない家族(認められるには完璧でなければいけない)

 

・ 条件付きの愛情(何か出来た時だけ褒めてもらえた)

     

このような特徴を持つ、不健全な家族が背景にあるのが、機能不全家族と言います。

 


⑶ 機能不全家族で育つ事での影響


 

①自己肯定感が低い

 

②感情の抑圧・感情マヒ

 

③人からの評価が気になる

 

④他人の基準が自分の基準

 

⑤苦しいが当たり前の感覚

 

⑥情緒不安定になる

 

⑦適切な人間関係を築けない

 

⑧自分を認める、受け入れるという意味が分からない

 

⑨自分を大切に扱うという意味がよく分からない

 

⑩完璧主義


     

上記の感情や思考は、ケアをせずに放置すると、経験の積み重ねと共に強化され、感情マヒが深刻になると


"本当の自分が分からない"  という思いや感覚を持ちながら、アダルトチルドレンによる生きづらさを抱え込むことに繋がってしまいます。

 

 

 

<参考情報>

アダルトチルドレンの問題と影響

 


⑷ アダルトチルドレンの傷が依存行動に走らせる


     

アダルトチルドレンの原因は、健全な愛情を持てなかった家族の元で育ったことや、家族という最初の人間関係の中で傷ついた経験が影響しているとされていますが

 

アダルトチルドレンや機能不全家族の中で育った人々は <自己評価が低い> という共通点があります。

 

そしてその低い自己評価を高めるために、問題を抱える人に依存したり、認めてもらうことに依存したり、満たしてもらうことに依存したりと、自分の外側から自分の存在価値を見出そうとしていきます。

     

誰かに評価され認められる自分、誰かに必要とされる自分なら「価値がある」という考えから

     

誰かに、必要とされることを必要とすることを求めたくなってしまう特徴から、対人関係では、恋愛依存症や共依存症になりやすい傾向があります。

 

 

■関連記事

 

必要とされることに依存する共依存症の特徴・診断テストはこちら

 

「都合のいい女」になりやすいあなたへ

 


⑸ アダルトチルドレンから派生する依存問題とは


 

アダルトチルドレンを抱える人は

 

<誰かに必要とされることを必要とする>という思考パターンを持ちやすい環境に置かれていた為

 

恋愛や対人関係の中で、自己価値を見出せる相手に依存していく傾向があります。

 

このような傾向から、無自覚ながら、自己価値を高められる相手を基準に人を好きになりやすいところがあります。

     

アダルトチルドレンが抱えやすい恋愛の悩みとは?

 

●なぜかいつも、問題ある男性と付き合う

 

●大切にされたいはずが、誠実ではない男性なのに別れられない

 

●相手を本当に好きなのか?自分の気持ちがよく分からない

 

●相手を見捨てるようで可哀想になり、自分から別れを切り出せない

 

このような言葉が出てくることが多いんですよね。

 

     

アダルトチルドレンの特徴を持つ方の恋愛パターンをお伝えすると・・・

 

 

◉尽くし甲斐、お世話し甲斐のある男性に惹かれやすい(精神的に幼い、不安定…など)

 

◉苦しい恋愛でも我慢する自分を許す

 

◉好きになってくれる人が好きで、好きになって付き合った経験がない

 

◉ダメンズ(DV、働かない、お金にだらしない…)に惹かれやすい、好かれやすい

 

◉あきらかに大事に扱われない相手でも、そのことに気づかない

 

 

などがあります。

     

このような恋愛にハマっていくと、心の奥に眠っていた恋愛依存症の症状が表面化し、恋愛依存症による苦しさも加わって、より苦しさが増していきます。

 

悩み事は一人で抱え込むと、長引いてしまう危険性がありますので、早期ケアが解決に繋がります。

悩んだらいつでもご相談ください^^

 


⑹ アダルトチルドレンの家族の中の5つの役割


 

①支え手(イネイブラー)

 

支え手とは、アルコール依存症の夫を支える妻が代表的です。

 

”依存を維持するように支える配偶者や華族” を指します。

 

支え手になる人は、依存者の責任や機能まで引き受けてしまいますが、それに対して不平不満を感じない人が多いのが特徴です。

 

このような両親を見て育った子供は、親を同一化して、そのような大人になろうとする傾向があり、男の子は母親と似た妻、女の子は父親と似た夫を選ぶという「配偶者の選択」は、世代を超えても連鎖されていき、依存行動や嗜癖も連鎖すると言われています。

 

 

②家族英雄(ファミリーヒーロー)

 

華族英雄は、アルコール依存症、ギャンブル依存症、ワーカホリックなどの「機能不全家族」にいる、スポーツや勉強のできる子供のことを指しています。

 

機能不全家族では、家族に希望や誇りがないので、子供が家族にそれらを与えようとします。

 

「できる子供」でいることで、世間から見れば機能不全家族を隠せるからです。

 

 

③マスコット(ピエロ)

 

マスコットとは、機能不全家族の中で明るく振る舞うことで、自分に注意を引くような子供を指します。

 

     

④犠牲者(スケープゴート)

 

犠牲者とは、「機能不全家族に適応できない子供や配偶者」を指します。

 

孤独感から家の中に居られなくなり、家の外で同じ境遇の者と出会ったり、依存者に同一化して嗜癖に走りやすい傾向があります。

 

 

⑤失われた子供(ロストチャイルド)

 

失われた子供は家族の中で孤立し、孤独感や抑うつを感じて引きこもります。

 

この役割を持つ人は、極度の孤立を経験し感じています。

 

 


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