「回避依存症は別れた方がいい?」情報迷子の危険性

 

回避依存に関する記事が最近増えてきましたが、少し心配なのは、表面だけをなぞった間違った解釈をしている記事も多いように思います。

 

(アクセス稼ぎの目的もありますから・・・)

 

 

どんな情報にせよ、正しい情報を見極める力をつけないとですね。

 

【記事執筆者:心理カウンセラー畠山ユキ子】

一般社団法人全国心理技能振興会

認定心理カウンセラー:2011年から4700件以上(2022年現在)のカウンセリングを実施

愛着障害、毒親、機能不全家族から生じる生きづらさ

依存問題(恋愛依存、回避依存、共依存)や心の傷やトラウマ、親子問題や恋愛関係などの人間関係のご相談を現在も受けています。過去にはマスメディア出演等の活動経験も有り。>>相談できるカウンセラーのプロフィールはこちら   

 


■回避依存症は「悪者?!」


 

 

回避依存症の認知が広がることはとても喜ばしいことなのですが、ネットの情報を読むと、知識の偏りや、どこかの記事をコピペしているだけなのでは?と違和感を感じることがあります。

 

 

それも一つの情報として捉えるならいいですが、恋愛で悩んで検索をしている方の状態を考えた時

 

 

きっと何か、その方にとっての解決の糸口は無いか?と必死で調べているとは思うんですよね。

 

 

人が必死な時、悩んでいる時というのは、通常よりも視野が狭まっていますから

 

 

例えば回避依存に馴染みのない方が目の前の記事を読んだ時

 

 

書いてあることをそのまま鵜呑みにしてしまったり

 

 

色んな情報を読みすぎて「もう何を信じていいか分からない・・・涙」という状態にもなりかねないんですね。

 

 

ご相談に来られる方からも

     

 

「ネットで検索していくうちに、彼が回避依存な気がします。彼の回避依存は治りますか?」

 

 

「彼に回避依存症だと気づかせるには、どうすればいいですか?」

 

 

「彼が回避依存症である限り、私の恋愛は苦しいままですか?」

 

     

このようなご質問を受ける事がありますが

 

 

回避依存症は病気という定義ではなく、幼少期の家庭環境の中で形成された性格の一部ですから

 

 

「治す=無くす」ことはほぼ不可能なことなのです。

 

 

でも関わっていく中で、工夫しながら上手く付き合うことや、弱めていくような働きかけは可能だと思います。

 

 

そして自分の恋愛が苦しくなる諸悪の根源は

 

 

彼が回避依存症だからと、回避依存症を悪者に仕立て上げるような記事も見かけますが

 

 

これまでのカウンセリングの事例から言えることは

 

 

回避依存症とお付き合いされる側にも、何かしらの依存問題(共依存)を抱えていることの方が多いので

 

 

誰が悪いのかという話ではなく

 

 

もし自分にも問題があるとしたら、それは何か?

 

 

回避依存症の彼と上手に関わっていくには、どんな工夫が必要なのか?

 

 

このような視点で考えた方が建設的ではないかと思います。

 

 

回避依存症の人と関わっていくのなら

 

 

回避依存症というのは一つの性格なんだと、じゃあ何を理解して、どう接していけばいいのか?

 

 

このように捉えて頂けたらと思います(^ ^)

 

 

 

 

関連記事:回避依存症の彼と別れたいのに、別れられない心理

 

 


■回避依存症の特徴に振り回される事での「落とし穴」


 

 

回避依存症の特徴を知ると、よく陥りやすい落とし穴があります。

 

 

 

例えば・・

 

 

「彼のあの態度…あの言葉は…回避依存のせいなのかな?」

 

 

「回避依存症の彼氏なら、いつか浮気されてしまうんじゃないか?」

 

 

「彼が回避依存症なら、結婚を望むのは難しいんじゃないか?」

 

 

「彼が回避依存症なら、彼が逃げないように、自分の要求を抑えないといけないんじゃないか?」

 

 

 

何でもかんでも、回避依存や依存に結びつけて考えようとしてしまう事です。

 

 

 

もちろんその傾向からの言動や態度が出ている時もあるでしょうが

 

 

 

相手の依存傾向に回避が入っているからといって、回避依存の特徴通りになるとは限りません。

 

 

 

相手の依存タイプを理解することは大事かもしれませんが、そのことばかりに囚われてしまうと

 

 

 

<相手軸> になってしまい、自分が無くなってしまうんですね。

 

 

 

そもそも相手軸になってしまう状態が、依存的であり

 

 

 

あなた自身 を苦しめる原因にもなっていくわけです。

 

 

 

回避依存症の彼氏と上手く付き合うにしても、今起こっている問題の原因を知るにしても

 

 

 

依存傾向を知ることは決して悪いことではないですが

 

 

 

そのことに囚われ過ぎないように

 

 

 

理解しておく程度にしておきましょう(^ ^)

 

 

 


■彼氏が回避依存だと知ったら、どう対処したらいいのか?


 

 

回避避依存症についてネットで調べると

 

 

まぁ…印象の良くない特徴が書かれていますから

 

 

迷ったり、悩んだりしてしまうのも分からなくもないのですが・・・

 

 

他の依存傾向と同様に

 

 

回避依存にも良い面がたくさんあるので

 

 

悪い面ばかりではなく、良い面も見つけられるようにしていってくださいね。

  

 

そして依存傾向が「回避依存症だけ」という方はごく稀で

 

 

回避だと思う彼の中にも恋愛依存や共依存の要素が入っている場合もあります。

 

     

またカップルの組み合わせによっても、引き出し合う依存傾向の違いがありますから

 

 

「私の彼氏は回避依存が強すぎのでは?」と思う方は

 

 

あなたの依存傾向 が、彼の回避傾向を強めている可能性を疑ってみるといいかもしれません。

    

 

一般的に、回避依存の人とペアになることが多いのは、恋愛依存傾向の人なのですが、人との親密さに関して、真逆の意識を持っています。

 

 

例えば、回避依存男性が逃げる側なら

 

 

恋愛依存女性が追う側(共依存女性は合わせる側)になります。

 

 

そして二人が惹かれ合うということは

 

 

お互いの依存の部分(自分の不足感を埋められる相手)が惹かれ合っているとも言えますので

 

 

依存関係に発展しやすく、恋愛依存側の女性の言動や態度が、回避依存男性の特徴(自己中心的な態度、親密な関係から逃げる、天邪鬼な言動…など)を増長させている場合もあります。

 

 

彼の依存を増長させているというのは・・・

     

 

例えば恋愛依存傾向の人なら

 

 

●しばらく仕事に集中したい

 

●今日は疲れてるから電話は出来ない

 

●気分が乗らなくい、もしくは忙しいなどの理由で返信が遅くなった

 

●友達の誘いが増えて会える時間が一時的に減った

 

     

彼の事情でこうなった場合・・・

 

 

自分を優先してくれない彼に怒ったり

 

愛情を疑ったり、試したり

 

彼の時間を尊重してあげられなかったり

 

 

=自分の不安に支配され、相手の立場に立てなくなる

 

 

参考記事:【男女共通心理】恋愛依存チェック診断

 

 

共依存傾向の人の場合・・・

     

 

●本当は受け入れたくないことを受け入れ過ぎる

 

●彼が解決するべき問題を肩代わりする

 

彼の母親のように身の回りのお世話をする

 

 

=好きなら当然のように、彼の言葉を何でも受け入れ嫌なことでも許してしまう

 

 

参考記事:【男女共通心理】共依存チェック診断   

 

 

こうして相手と自分の境界線が無く、相手の問題に介入し過ぎていることはありませんか?

 

 

これらの行動が彼の回避依存の、逃げたい、責められてる、息苦しいを刺激させてる場合もあります。

 

 

(恋愛依存側がワルイと責めてるわけではありませんからね^^; )

 

 

ですので、自分の依存度を弱めることができれば

 

 

相手の回避依存の部分をそこまで強く引き出すことも減っていくと思うので

 

 

健全な関係を築きやすく、心地よい関係性に持っていくことが可能になります。

 

 

「じゃぁ彼が変わってくれたらいいのに」

 

「何で彼のことで私だけが変わらなきゃならないの?」

 

「私ばかり悩んでるのが悔しい」 

 

 

そう思う方もいらっしゃるかもしれませんが・・・

 

 

残念ながら

 

 

自分以外の人間の感情を決めたり

 

自分以外の人間を自分の思うように変えることは出来ないですから

 

その事を諦めなければなりません

 

 

それに相手を変えるにはかなり難しいことになりますが

 

 

 

自分が変えた方が数百倍も早いですし、自分自身が楽になれます。

 

 

 

そして相手に変わってもらう期待を手放し

 

 

 

自分自身が人間的に成長してしまった方が、間接的に相手が変わる可能性は高まります。

 

 

 

カウンセリングではそのための取り組みをしているのですが

 

 

 

クライエントの方や私自身の経験でもそうでしたが

 

 

 

相手に対する自分自身の <感じ方><捉え方> を見つめ直し、改善していくことで

 

 

 

 

例えば、相手からの突然の予定変更に、過剰反応しなくなったり

 

 

 

相手の言動に怯えたり、顔色を伺うことも減っていくので

 

 

 

自然体の自分での振る舞いは相手に伝わりますから、相手も一緒にいる心地良さを感じるようになっていくものなんですね。

 

 

 

そうしてお互いに心地良い関係性に修正していくことが出来た事例もたくさんありますから

 

 

 

相手が回避依存症だからと気にせず、自分自身が安心感を持って恋愛ができるようになりたい

 

 

 

そう思う方は、ぜひ「自分について知る」という取り組みをやってみてくだい。

 

 

 

恋愛だけではなく、どんな関係性も、自分の心の安定が、相手の安定に繋がり

 

 

 

良い関係性を築いていくことが出来ます。

 

 

 

人は安心感のある人の元からは、離れたくなくなりますから

 

 

 

彼との関係性に行き詰まりを感じる方は、自分の心を整えることも考えてみてくださいね。

 

 

 

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