
■見捨てられ不安を予防しておくことの大切さ
愛着障害や恋愛依存症の根本には「見捨てられ不安」がありますが
この見捨てられ不安をどこまで克服できるかが、愛着障害や恋愛依存症の克服のカギと言ってもいいほど
見捨てられ不安を解消する取り組みは、避けては通れない作業ではあります。
ただ一つ注意して頂きたい点は
強い見捨てられ不安が出てくる前に、心理カウンセリングや心理セラピーを受けることをお勧めします。
それは何故か?
見捨てられ不安という感情は、普段は眠っていることが多いですが
何か、その方にとって不安な出来事(外的な要因)が起こった時に
「自分の生存を脅かす恐怖」を体験しているかのような感覚が、心の中の反応として出てくるので
不安の度合い次第では、禁断症状が起こる方もいらっしゃいます。
禁断症状が出ている場合、まずは禁断症状を落ち着かせていくことが先になりますので
カウンセリングやセラピーで出来ることは限られてしまう場合があります。
(あまりにも不安が強い状態の時は、セラピーは逆効果になることがあるので焦らずに、丁寧に進めることが大切です^^)
今回は実際のカウンセリングで、予防として、見捨てられ不安の解消に取り組む方のご報告と、見捨てられ不安の原因をご紹介させていただきますので、よかったら参考になさってください。
(※クライエントの方から掲載許可は頂いています。)
「いつも漠然と感じていたあの不安が、あれから、不思議と落ち着いています・・・」
[…省略]
このクライエントの方は恋愛が始まると、まるでスイッチが入ったかのように
「いつか彼は私の前から消えてしまう」「彼は私を選んでくれない」この思考に支配され
常に不安な状態のまま、何とか生活をこなしていたため
本当は恋愛を楽しみたいのに、恋愛をすると生きた心地がしないとよくおっしゃっていました。
そして
決まってこの思考が巡り、不安がどんどん膨らんでいくと
彼の気持ちを確かめたくて、わざと相手の気を引くようなイジワルなメールを送ってしまうそうなのですが
彼の愛情を確かめたくてやっていることのはずが、実際は不安が解消されるどころか、不安が増してく一方で
結果、自爆行為を何度も繰り返し・・・
その自分に苦しみ、疲れ果てていました。。
彼への確認行動の効き目は一時的にしか効果はなく、彼との会話に職場の女性の話が出ると
今度は「彼が取られるんじゃないか」と妄想が膨らみ、夜も眠れなくなったり…
見捨てられ不安を起点に考える思考に、長年苦しまれていました。
あるタイミングで「見捨てられ不安と向き合いたい」ということで、見捨てら不安の原因をカウンセリングで一緒に深掘りしてみたところ
彼は他の人を選んで消えてしまう → 彼は私を選んでくれない
=私は選ばれる価値がない
このような思い込みに縛られていることを見つけることができました。
ほとんどの人が最初はその自覚はないですが、自分の思考によって自分が縛られていれば辛いはずですよね・・(T-T)
このような思い込みは、いつ頃出来上がったのか?
考えられることは、幼少期から現在に至るどこかの経験によって取り入れた思いや、刷り込みであることが多いのですが
この方の場合は、チャイルドセラピーを使って、思い込みが出来上がったであろう場面を探ってみると、自然と子供の頃の記憶が出てきました。
学業に厳しかった両親の期待に応えないといけない…
親の期待に応えなければ、
私という存在を評価してもらえないと感じている小学生のSさんの姿が出てきました
当時のSさんが感じていた親の期待とは「成績が優秀な自分」ですが
なぜそのように感じていたかと言うと
ご両親は、学業のことだけにはとても厳しかったようで、
日々言われた言葉や態度から
親の基準に応え続けないと私は終わり
親の期待に応えられない私は価値がない
=価値がなくなった私は愛されない、いつか見捨てられる
そう捉えた訳なんですね。
何とか親の期待に応えようと、
必死で勉強をし、親の喜ぶ自分になろうと良い子を演じていたそうなのですが
(子供って、生存本能から、無事に生き抜くためにも、親を受け入れようとする…そんな健気さがあるんですよね。。。涙)
本当は・・
勉強が大っ嫌いだった!
やりたくない!!!って親に表現したかった!!
勉強いがいのことでも褒めてほしいと感じていた。
「自分の本当の思い」に、セラピーを通して気づくことができました。
そして、この本当の思いをイメージの中で発散していただきました。
(これだけでは癒しは完了しないので、続きはありますが、具体的な内容になってしまいますので省略します)
当時、親に嫌われるのが怖くて言えなかった本当の気持ちに気づくことで
恋愛を通して感じる苦しさからの解放、癒しに繋がっていくことが結構あります。
この方は幸い、本当の感情に気づくことができ、セラピー後「すごいスッキリしました!」と笑顔で話されていましたが
「自分を幸せにしたい!!」という強い願いがあったからこそ、見つけられた感情だと思います。
そしてその後の恋愛では
「彼とバイバイした後の極度な不安と寂しさがかなりマシになった」
「彼に好かれてる安心感を離れていても感じられるようになった」
「試す必要がないから、楽しく過ごせる時間が増えた」
このようなご報告もいただいています。
効果を実感できたのは、このクライエントの方の努力があってのことですが
ただ、人の心というのは複雑なもので、頭では見捨てられ不安を解消したいと思っていても、なかなか解決に繋がらない時もあります。
今回ご紹介させて頂いた方も通った道ですし、他の方にもよく見受けられることですが
本当は腹の中では
・親を悪者にしたら可愛そう
・私は悪くない
・親を許せない
これらの思いが強い時は、無意識の中では自分が幸せになる許可を出せてない、出したくない状態ですから
幸せな結果に、なかなか結びつきづらい心の状態なんですね。
この思いを抱える人は、まずは自分の心にある思いを自覚し、腹の中の本当の思いから整理していく必要があります。
要するに、見捨てられ不安の解消もそうですが、心の問題をクリアしていくには、適切な順番があるということですね。
見捨てられ不安の解消していくには、専門的な知識や助言が必要になっていきますので
悩まれている方は一人では抱え込まず、いつでもご相談ください(^ ^)
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★編集後期
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見捨てられ不安・・・
私自身も経験がありますが、
克服した今はもう味わうことは無くなりましたが、この世のものと思えない苦しさの感覚は何となく思い出せます。
カウンセリングを受けたばかりの頃は
「人より見捨てられ不安が強いですね」と言われるくらい重かったのですが
根気よくカウンセリングやインナーチャイルドセラピーを何年も重ね、克服することができました。
私だけが特別ではないですから
「自分にもその力があるかもしれない」
そう自分の未来の可能性を信じて向き合えるといいですね^^
●記事執筆者:心理カウンセラー畠山ユキ子
2011年から心理カウンセラーとして、
4700件以上(2022年現在)のカウンセリングを実施。
専門は愛着障害、毒親、機能不全家族から生じる生きづらさ、心の傷や依存問題、トラウマ感情、共依存症(恋愛依存・回避依存)、母娘共依存、親子関係、職場関係、恋愛関係等の対人関係のご相談を現在も受けています。
過去には「恋愛依存症専門カウンセラー」としてマスメディア出演等の活動経験も有り。
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